要介護の方の出張セラピー。先月から新しいお客様のところに毎週伺うことになりました。
1回目は、ほとんど意思疎通が取れずでしたが、2回目の施術後は、はっきりと「ありがとう」って、それもニコって笑顔で話してくださいました。さよならと声をお掛けすると、「さよなら」と言いながら、手も振り返してくださって、本当にうれしい瞬間でした。

脳出血で倒れて意識障害があった4年前に、初めて施術に伺いました。今は胃ろうも外せて、食事も取れるようにまで回復されています。意識は戻らないでしょうと診断されて、それでも0パーセントではないからと、娘さんたちとがんばって来られました。まず可能性を信じることで、変わることができるんですね。

介護での出会いから学ぶこと

介護は本当に大変なことだと思います。でも先日、長年ご家族の介護に携わってきた方のお話をお伺いしていて、ほんと考えが変わりました。その方のお母様の施術に、5年間関わらせていただきました。ご家族の方は9年間介護されてきました。最初、お母様との時間のために、介護のために、生活のすべてを変えたというお話をお聞きしたときは、マイナスなイメージを持っていました。今までのおつきあいを絶たないといけない。でもこれは、次のステージに進むためのものなんですね。介護での出会いも半端なく多く、決して狭い世界ではないということがわかりました。介護から学ぶことも多く、決して暗いものではないということです。

介護の世界がもっと完璧であるならば、プロに頼めばいいことです。でも残念ながら、現在の状況は、安心して任せられるレベルではないといいます。様々な問題を抱えている分野で仕事をしてる方は、本当にご苦労も多いと思いますし、簡単に改善できるというものでもないのかもしれません。だから、介護する側の家族が関わっていく必要があるし、その意識をもっと高めていかないといけないんですね。

最期のときに見えてくるもの

どのような出来事も、ブラスにもマイナスにも見ることができます。だからこそ、プラスから見ると、楽しめるし、きっと幸せでいられるはずです。言葉では簡単でも、介護は本当に大変なこと。きっと経験した人にしかわからないことだと思います。いつかは、介護する側、介護される側になるのかもしれません。だからこそ、もちろん、そのためにというわけではありませんが、家族、周りの人との時間、コミュニケーションはとても大切です。最期を迎えるときにこそ、自身がどう生きてきたかが見えるのかもしれません。