先日、他界されたお客様のご家族から連絡があり、ご自宅にお伺いしてきました。5年間、毎月出張セラピーで、訪問していた場所。歩き慣れた道なのに、気持ちは、今までとはまったく違っていて、心の中がぽっかり空いたような、胸が苦しくなるような感覚で向かいました。
9年前にお母様が脳出血で倒れ、息子さんは、最初の1年の入院生活の間に、介護を覚悟して、ご自身の身の回りを整理されたそうです。私がお伺いするようになった5年前には、すでにたくさんのヘルパーさんが関わっていて、息子さん自身も慣れていて、かなり勉強されたご様子が伝わってきました。
ただただお母様のためだけに生きて来られた9年間。ほんとに介護ってそれだけの覚悟が必要なことであり、いや、これだけのことをされてる人っていないかもしれませんが、息子さんは、そこまでして当たり前という感覚で来られてたのだと思います。
だから今、どんな想いでいらっしゃるのかというのが、わかるからこそ、どんな言葉も違うように感じていました。
ベッドがあった場所には、まだお母様の温もりが伝わってくるようでした。息子さんの言葉に、涙が溢れてきて、それはきっとお母様も同じ気持ちのはず。子どもの幸せを祈らない母親なんていないから。これからは、ご自身のための人生を歩んでほしいと、心から願いました。
介護とリラクゼーションとの関わり
長年、ひたすら学ぶために購入された本は、山のように積まれていて、その中にはセラピーや施術の本もたくさんありました。もう必要ないからと、10冊以上いただいてきました。高齢者に関わると、どうしてもサイクルが早いよっておっしゃっていました。でもほんとに必要としてくださるのなら、五感の癒し、リラクゼーションのために、関わらせていただけるのは、とてもありがたいことだと思っています。